立花尚太郎 (医学科5年)
私は2023年4月から2026年3月までの3年間、疾患病理学分野で研究に取り組んで参りました。この度常山教授、小川准教授、清水准教授を始めとした多くの先生方の手厚いご指導により無事にMD-PhDコースを修了し、医学科5年に復学することになりましたので、この場をお借りして御礼と感想等を申し上げたいと思います。
私が所属してきた疾患病理学分野はがんを始めとして、アレルギーや肝疾患など様々な領域の研究が行われています。扱う研究材料も多様で、培養細胞から動物個体、ヒト検体におよび、基礎研究だけでなく臨床への橋渡しとなる研究が行われています。私は四国研究医枠の一期生として本学に入学し、将来は臨床と研究の両立を目指す医師になりたいという思いを当初から抱いていました。学部学生の時点でStudent Labや研究室配属を通じて疾患病理学分野に所属し、気管支喘息をテーマに研究者としての基礎的な手技やデータ解析について学び、基礎研究の重要性と面白さを実感しました。一方で学部3年次の研究室配属では新型コロナウイルスの流行により、実際に手を動かして研究をすることが満足に出来ませんでした。この心残りから、改めて腰を据えて研究に取り組みたいという思いが大きくなり、MD-PhDコースへの進学を決意しました。
MD-PhDコースでの3年間は、私にとって研究の難しさと同時に、その意義を深く考える時間となりました。実験計画の立案から実施、結果の解析に至るまで、想定どおりに進むことは少なく、試行錯誤を繰り返す日々でした。期待していた結果が得られず、研究の方向性そのものを見直さなければならない場面や、自身の仮説の甘さを痛感することもありました。そのような中で、指導教員の先生方からは、結果の良し悪しだけでなく、研究に向き合う姿勢や思考の過程の重要性について、丁寧かつ根気強いご指導をいただきました。
また、この3年間で多くの国内学会、国際学会に参加させていただきました。他の研究者からのフィードバックを通じて、同じデータであっても立場や視点によって解釈が大きく異なることを学びました。自分では気付かなかった問題点や新たな可能性を指摘していただくことで、研究を一段深いレベルで捉え直す機会を数多く得ることができました。自ら課題を設定し、仮説を立て、それを検証し、得られた結果の意義を言語化する一連の過程は、研究者としての基礎を養うと同時に、論理的に物事を考える力や、困難な状況でも粘り強く取り組む姿勢を身につける貴重な経験であったと感じています。これらの経験は、将来臨床医として診療に携わる際にも、患者一人ひとりの背景を多角的に捉え、根拠に基づいて判断する上で大きな支えになると考えています。
今後は医学科に復学し、臨床医学の修得に一層励むとともに、本コースで培った研究的視点を常に意識しながら診療に取り組んでいきたいと考えています。将来的には、臨床の現場で生じた疑問を研究へと発展させ、その成果を再び医療へ還元できる医師・研究者となることを目指してまいります。最後になりましたが、MD-PhDコースにおいて貴重な学びの機会を与えてくださったすべての先生方ならびに関係者の皆様に、心より感謝申し上げます。

アレルギー学会 京都にて